自治体の裁量で税ミス頻発

不動産を所有していたらかかる税金
《固定資産税・都市計画税》

これがまだまだミスが多いのですよね。
それは、資産評価の方法が
自治体の裁量になっているため
資産の評価方法に違いが見られることも
問題を複雑に分かりづらくしているんです。

以前にも投稿しましたが
総務省が2009~2011年度を対象に実施した
国調査で、25万件以上の
固定資産税の取り過ぎが発覚していました。
そのうち約97%の自治体が
固定資産税の税額修正を行っていたそうで
内訳を土地でみると7割が減額必要で
3割は増額修正なのです。

なぜそうなっているのか?
一番多いのが
固定資産税の土地に対する課税の誤りで
「住宅用地の特例措置」の適用漏れなのです。

住宅用地の特例措置は、200㎡までの
小規模住宅用地なら課税標準が
評価額の6分の1に、
200㎡超の一般住宅用地は3分の1
とするもので、税額の大幅な軽減に
つながるために、適用漏れの影響は
大きいのです。

例えば、大阪府泉大津市は昨年9月に
新築された家屋14件の土地について
小規模住宅用地の特例措置の適用を
漏らしていたと発表
課税の誤りは1999~2020年度の
22年間にわたるのですが、

市の要綱では、対象となる20年間分の
固定資産税1,047万円分を返還し
利息に相当する加算金を加えた返還額は
計1,380万円です。

今年度の評価替えに合わせて
新たなシステムを導入し、データを検証する
過程で誤りが見つかったというのです。

住宅用地の特例措置の適用対象は
一戸建てやマンションに限らず

滋賀県湖南市は昨年8月
会社の社員寮として使われている
土地1200㎡に対し、住宅用地の特例措置を
適用していなかったそうで
誤っていたのは1979~2020年度の
42年間にわたるそうです!

こちらの市の要綱では
返還期間は過去10年分2020年度分は
途中で課税の誤りを修正したため
2019年度までの9年分の過大徴収額320万円と
加算金30万円を返還ということです。

また、島根県安来市は今年2月
グループホームや有料老人ホーム
6カ所の土地に対し、
住宅用地の特例措置を適用しておらず
こうした施設も人が常時居住するため
本来は住宅用地の特例措置の適用対象と
なるために、固定資産税を過大徴収していた
期間が最長で30年間にわたるそうですが、

こちらの市の要綱では返還は過去20年分と
定めているため加算金を加えた返還額は
約2,300万円というのです。

そして、家屋の評価額でも間違いが
生じています。

東京都狛江市は昨年6月
2018~2020年度の評価額を誤り
納税者約990人に対して固定資産税
約1,400万円を過大に徴収していたそうです。

固定資産税の家屋、建物の評価では
新築時に決定した評価額について
3年に1度の評価替えごとに
建築資材などの物価変動分を加味する
「再建築費評点補正率」を掛け、
評価額を付け直しますが、

狛江市では2018年度の評価替えを前に
システムを入れ替えた際、
2014~15年度に新築された家屋の一部について
当時の再建築費評点補正率を2乗して
評価額を算出したため、家屋の評価額が
過大となっていたそうです。

また、本来は非課税のはずの固定資産に
誤って課税していたケースでは

京都府木津川市と京田辺市で、
昨年10月、中小企業団体などが
所有・使用する建物に
木津川市では3棟に対して最長44年間

京田辺市では1棟に対して41年間、
誤って課税していた。
両市とも要綱に基づき、

20年間分の固定資産税と加算金を返還し、
木津川市では返還額は計998万円
京田辺市では730万円だそうです。

地方税法では学校法人の学校や
宗教法人の寺社、社会福祉法人の
老人福祉施設などの固定資産は非課税
となっているのですが

市町村の担当者の理解が不十分
だったりすることで
非課税のはずの固定資産に誤って
課税するケースは全国で相次いでおり
納税者側も、しっかり確認することが
必要なんですよね。

また、昨年6月、大阪市が独自に定めた
家屋の評価方法を巡り、最高裁の判決で
違法とされ、約71億円を
納税者に還付する見込みなのです。

これは特殊な話で、
ワンルームマンションなどの建設に使われる
「PHCくい」と呼ばれる、高強度コンクリートを
遠心しめがためくいを使用し

総務省が定める「固定資産評価基準」では
家屋の固定資産税評価額を算出するに当たり
建設に際して使用した部材の量などを積算する
「再建築価格方式」を用いるため

大阪市ではPHC杭に独自の評価方法を
導入して、一般的な既製杭に比べて
高く評価していたのです。

1998年新築のPHC杭を使った
マンションの評価で、一般的な既製杭に対して
「8・64倍」の増点補正率を適用して
評価額を算出していたのですが

当時の固定資産評価基準では、
増点補正率の上限を「5・00倍」としており
判決では上限を上回る増点補正率が
違法である。
と判断されたのです。

ただ、最高裁判決が出されるまで、
実に4年以上もの歳月がかかっているのです。

家屋の新築時の固定資産税に
誤った評価額が付けられれば、その後も
誤った評価額を基に課税され続けられます。

賠償責任が生じる不法行為が発生するのは
評価額を付けた新築時ではなく
「毎年度の納税通知書が交付された時」
と初判断した。

当時の民法では不法行為から20年たつと
損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」
を定めていたので

最高裁はこれを踏まえ
20年より前に新築された家屋評価が
誤っていた場合でも、過大徴収した
20年間分の固定資産税について
賠償責任があるとしたのです。

大阪市は昨年2月の時点で
PHC杭を違法に高く評価していた
市内の家屋全体への還付・返還額について

20年以内に新築された物件は
最大20年間分、それ以前に新築された物件は
地方税法の時効にかからない5年分として
総額16億円と見積もっていたのですが

昨年3月の最高裁判決を受けて
20年より前に新築された物件も20年間分を
還付・返還することとした結果、71億円へと
大幅に増えたのです。

還付・返還対象の納税者数も
約3万人から約3万4000人へと
増加することになったようです。

皆さんの所有物件が
この固定資産税・都市計画税の
算出ミスで取られ過ぎていないか 
誰も確認してくれません。

ご自身で見直してくださいね!!

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